なあ、オマエサン。
ほろり、ほろり。涙がほろり。
今朝、計算ドリルができなくて。
両手を使って一生懸命、計算。
ほろり、ほろり。涙がほろり。
問題文を何度も何度も読み返す。
読めるが意味がわからないか。
ほろり、ほろり。涙がほろり。
もう一度、両手を使って再計算。
ほら、やっと答えが出てきた。
なあ、オマエサン。
物事、そう簡単ではない。
大人になったって、難しいことはある。
いや、大人になってからの方が多いよ。
繰り返さずに、出来ることもある。
少し繰り返せば、出来ることもある。
一生懸命繰り返し、出来ることもある。
そして繰り返しても、出来ないこともある。
人には向き不向きがある。
物事は、相性、タイミング、流れで決まる。
答えがないものも、複数答えがあるものもある。
実にやっかいだが、魅力的なことでもある。
物事を理解し、受け入れることは人生そのもの。
だからね、オマエサン。
今、オマエサンのやっていることはその土壌だ。
大きくなって、いろんな物事に遭遇するだろう。
物事には、絶対的な部分と柔軟的な部分がある。
今は、絶対的な部分をしっかり磨きなさい。
そうすれば、柔軟的な部分がより広がるから。
自分色に染めながら、受け入れることが出来る。
それが他でもない、自分らしさというものだろう。