なあ、悠詩
先週の土曜日のことだった。
10年ぶりだった。
その人達とはもう会うことはないのかと思っていた。
私の不義理、薄情が原因で疎遠になっていたのだ。
とあるスポーツで拳を振り回すのに夢中だった時がある。
再会したのはその時のトレーナー、先輩、同僚だった方々だ。
怒鳴られもしたし叩かれもした。
こんな関係だから向き合わざるをえない。
この「お前」と呼ばれる関係は今となって新鮮だ。
今の私の関係性には無い。
この日も存分に「お前」と言われた。
覚悟はしていたが言われたい放題言われる。
「お前は薄情なやつだなー」
「お前は相変わらずおとなしいやつだなー」
当時は思わなかったのだが、これが気持ちよかったのだ。
私の人格のベースはこういう中で培われてきたのだと実感した。
己の立場を自覚し、相手の言うことを受け止める。
そのうえで自分というものもきちんと伝えていく。
本当はまだまだこういう環境で人となりを学びたいものだ。
今の私は裸の王様だろう。
「今夜は泊まっていけよ」
と十年ぶりに会った不義理で薄情な私に何人かが声をかけてくれた。
嬉しいものだ(だけどまたその時に不義理なことをしてしまい猛反省、、、)。
そう、荒くも熱くもあるがベースは温かい方々なのだ。
きっかけを与えてくれた先輩に感謝。
電話の時は緊張して背筋が伸びっぱなしだった。
そして何よりもトレーナーにお詫びと感謝の気持ちでいっぱい。
ずっとうしろめたさがあったから。
お詫びがきちんとできて本当によかった。
社会人になってから様々な経験をしてきた。
だが、叩かれ怒鳴られ歯を食いしばったあの時間はそれよりもっと貴重だ。
取り戻せたような開放されたような不思議な気分だ。
なあ、オマエサン
いつか話してあげよう。
トウサンがあの時間に学んだことを。
from オトウサン
—悠詩(0歳4ヶ月) with 父(32歳) and 母—