「風船のように」・:*:・゚☆ 生まれたての君へ

なあ、悠詩

土曜日に結婚式に出席した。
雲ひとつない青空だった。

私の中でとても印象的なことがあった。

式の最後に外で風船を一人一つ渡されたのだ。
同時に空へ飛ばして祝福しようという趣旨だった。

人数分なので50個ぐらいはあっただろうか。
その中のいくつかがフライングで空へ舞い上がった。
何人もいればこういうこともある。

「君は誰よりも早く遠くにいきたいのかな?」

空を見上げながらそんなことを思った。

そして一斉に飛ばすタイミングになった。
私も手に持っていた風船をそっと飛ばした。

ちょっと遅れて皆の後をついていく。
と思いきやすぐに木の枝に引っかかってしまった。

そこにゆるやかな風が吹いた。
体を揺らしながらなんとか枝と枝の間をすり抜けていこうとする。
だけど枝の突起で割れてしまいそうでハラハラする。

「頑張れ!」

思わずそう思った。

間もなく他の風船に大きく遅れて青空へ旅立った。

なあ、悠太。
この時、お前のことを思ったのさ。

ゆっくりでいいのさ。
青空はどこへも行きはしないから。

一番じゃなくていいのさ。
青空はどこから見ても青空なのだから。

焦らなくていい。
穏やかにゆっくりと歩んでいきなさい。
私が後ろからそっと見守ってあげるから。
私もゆっくり歩んでいくから。

披露宴会場に移動する時にふと空を見上げた。
遠くに風船たちが星のように小さく見えた。

きっと私の風船もそこにいるのだろう。
目に見える早い遅いなどと小さなことだ。

視点を広げて穏やかに歩んでいこう。

from オトウサン
—悠詩(0歳4ヶ月) with 父(32歳) and 母—

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