なあ、悠詩
三人で田舎に戻るばあばの見送りに羽田空港に行ったね。
昨晩まで親戚の家でお世話になっていたばあばとは空港で合流。
トウサンは空港は好きだ。
広い空や往来する飛行機、構内アナウンス等が日常を上書きする。
こういった非日常的な感覚が新たな日常を予感させる。
時間がそこで明確に区切られるような感覚ともいえる。
即ち、それまでが糧となり、新たに歩み出す前の一瞬の間、猶予。
空港は私にとってそんなところだ。
お弁当を買って皆で展望台で食べたね。
快晴だ。今日は暖かいどころか私には暑いくらいだったよ。
昼時だったが、平日のオフシーズンなのでずいぶん空いていたよ。
昼食を終えて展望台で少しくつろいだ後、ばあばを見送ったね。
今度会うときはたくさんしゃべれるようになっているかな。
今は「クック(靴)」だけだからね。
ばあばを見送った後、もうひとつのターミナルへと移ってみた。
やはりこちらでも展望台に行ってみた。
さっきよりも人が少なかったので、ずいぶんのんびりしちゃたね。
オマエサンは近くの階段の上り下りでアスレチック状態。
こうして飛行機に乗らずに空港でゆっくりとするのは初めてかも。
飛行機に乗らずに帰るのはちょっぴり寂しい。
だけど、それでもやはり気分が区切られるような感覚がする。
帰りは普通のバスをふたつ乗り継いで戻ってみた。
初めてそうしてみたが、いつもより倍、時間がかかった。
だけど、それもまた小さな旅のようであった。
透き通るような青空に何を感じるかい?
下りるために懸命なオマエサン。
何度か繰り返すうちに足だけで上り下りできるようになったね。
ご機嫌でおどけたポーズをとるオマエサン。
今日はとても暖かくて気持ちよかったね。
Tシャツ一枚で丁度よかったよ。
ばあばを従え、ここでもご機嫌な素振りを見せるオマエサン。
ばあばと飛行機を見つめるオマエサン。
エンジンの音が凄いね。
こちらはもうひとつのターミナルの展望台。
全身を使って階段をよじ上るオマエサン。
でもね、この後、足だけで上れるようになったんだよ。
結構段差があるのにびっくりしたよ。
下りるのは難しいだけでなく危険だけど、それでも挑戦したね。
危なっかしいのでさすがに止めたけど。
ん、逆さに見えるカアサンに驚いたのかな?
家に戻ってくつろぐオマエサン。
トウサンの妹から貰った帽子が最近のお気に入りだね。
【小説「源平咲き」148,564文字(原稿用紙372枚目)推敲中】
from オトウサン
—悠詩(1歳6ヶ月) with 父(33歳) and 母—