なあ、悠詩
ちょうど一年になる。
自ら設立した会社を去り、病気の治療と療養に入ってから。
肉体的には近年でいちばん厳しかった一年だった。
精神的には近年でいちばん充実した一年だった。
前者は当然、病気とその治療によるもの。
後者は家族三人でゆっくり時間を過ごせたからだ。
この一年間の手紙を軽く振り返ってみる。
相変らず、「言い訳」と「自己正当化」が目立つ。
未熟なのだろう。
後悔しても仕方ないが、反省は必要だ。
すなわち、自覚である。
まだまだ私は己を知る必要がある。
だからもう少しこの手紙も続けていこう。
目的は主に三つだ。
・自分自身を振り返り、糧とする。
・奥さんと子供との家庭生活の記録。
・連絡不精で申し訳ない知人たちへの近況報告。
飛び飛びながら、こうして手紙を書き始めて約三年半が経つ。
きっと一貫してない部分も多々あるだろう。
でも、私は考え方など変わっていいと思っている。
大切なのはどのように変わっていったのかを知ることだ。
そうすれば繰り返しや後戻りに思えることもまた糧となるだろう。
桜の季節、また一歩前に歩んでいこう。
【小説「源平咲き」159,532文字(原稿用紙399枚目)推敲中】
from オトウサン
—悠詩(1歳6ヶ月) with 父(33歳) and 母—