なあ、悠詩
金曜日の夜、七年前に一緒に働いていた四人と会った。
同じプロジェクトにどっぷり浸かっていた仲間だ。
もう今は全員別々の道を歩んでいる。
ただ私以外は皆、当時と同じ業界で頑張っている。
すなわち広義ではIT業界であり、狭義ではモバイル業界だ。
あの頃は業界も会社も急成長中だった。
様々な「企画・制作・開発・運用」が同時に進んでいた。
だから日付が変わってから帰るのが普通だった。
明け方に仮眠をとってそのまま翌日働くことも珍しくなかった。
特にあらゆる面で余裕がない状況を敢えて「祭り」と呼んでいた。
誰もが若く、社会的にも業務的にも未熟で失敗もいっぱいした。
心身ともに厳しかった。
ただ、今振り返ってみれば充実していた時期でもあった。
もっともそれを実感できるようになったのは割と最近のことだ。
そう、時間を置き、振り返って初めて得られるものがある。
自分ひとりでそれに気づくこともある。
だが、当時の仲間と話していて気づいたり確信に至ることもある。
ありがとう。
ただ、私一人、別の業界にいるということはちょっぴり寂しかった。
しかし、前々回の手紙で書いたように私は変わったのだ。
もちろんこれまでやってきたことに誇りはある(立場ではなく内容に)。
業界違えど共通する経験やエッセンスはもちろん今後も生かす。
すべてをフラットに戻すつもりはない。
しかし、業界や己のスタンスは変わったということをもっと意識しよう。
そして、その中で得られる新たな経験や出会いを大事にしよう。
本質は何も変わりはしない。
ただ、それを大切にするために変わっていくものもある。
物語は形を変えながらもずっと続いていくし、繋がっていく。
そういうことなのだ。
オマエサンが作った積み木の作品。
すごいじゃない! じょうずになったね!
赤坂の街に降り立ったオマエサン。
右手に握り締めるのはお気に入りのパトカーのミニカー。
と思いきやいきなり寝転ぶオマエサン。
何か地面から聴こえるの?
とある物産展での体験コーナーで足湯に浸かるオマエサン。
ずいぶん気持ちよさそうだね。
ぽつんとあったモニュメントが気になるオマエサン。
上に何が見えるの?
子供らしく滑るオマエサン。
どんどん勢いよく滑れるようになろうね。
from オトウサン
—悠詩(2歳1ヶ月) with 父(34歳) and 母—