「船出とマルチタスクからの卒業」〜置手紙〜

なあ、オマエサン。

島根の家と鳥取は米子の病院との往復途中に境港がある。
最も近い都市でもある。

一昨日、病院の帰りにガソリンを入れていたら、眼の前の大きなクルーザー船が停泊していた。
ダイヤモンド・プリンセスという船だ。
乗客は2,700人、乗組員は1,000以上の規模らしい。
乗ってみたいが、こうして眺めているだけでも心に広がりが出る。
青い空、大きな船、あらためてシンプルでありたいと思う。

マルチタスクも卒業したい。
人生の前半はいかにマルチタスクで生きるかを追い求めていた。
何かをしながら何かをする。
パソコンやガジェットも使いまくる。
公私の垣根をとっぱらうことが効率的と思っていたときもある。
それがきつくなった。
効率的だと思っていなのは、言ってみれば「ながら行為」であり、疲れる。
たくさん触れてはいるが、掴んではいない。
触れなければわからないものはある。だから前半はよかった。
だけど、今は大切なものだけ掴んでいられれば、あとはこぼれ落ちても構わない。
歯磨きをするときも、ほかのことを考えたくない。
素晴らしい風景にあって、撮影ばっかりしたくない。
ご飯はよく噛んで食べたい。

眼の前にあるものに、時間に、人に、もっと身を寄せて生きたい。
人格や性格は変わらない。姿かたちも変えられない。
でも、考え方や価値観は変わっていくし、変えられる。
それが大人になり、選びながら、終わりまで生きていくということだろう。
掴める手は二つだけだ。

人生はとっくに後半戦。
積み上げたものを、棚卸して身軽になる。

ありがとう。

写真にうつっているバスと比べると大きさがわかる
空も海も青くおだやかだ

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