山本 岳志 なあ、オマエサン。
先程、オマエサンに激怒した。
運転中に自分のタブレットのwifiが繋がらない。
パスワードを教えろと。
運転中だし１３桁？のパスワードなんて覚えてない。
しつこいし「あーあ、ゲーム出来な」とかぼやいてる。
駐車場に着き次第、オマエサンを怒鳴る。
空のペットボトルで思い切り頭を叩いた。
人の立場になって考えろと。
自分の都合ばかり考えるなと。
・運転中にスマホでパスワードが写った写真を探すのは困難だし、危ない。
・運転中のスマホ操作は、見つかったら交通違反になる。
これが、わからないかと？
ちょちょいと出来るんじゃないかと思ったと言う。
もう一度、空のペットボトルで頭を叩いた。
物事をもう少しだけ掘り下げて考えろと伝えた。
通りかかった人も何事か見ていた。
さすがにオマエサンも涙ぐんでいた。
エレベーターでの中で隅で背を向けているオマエサン。
落ち込んでいる模様。
散髪後、さっぱりしたオマエサンが愛おしく思える。
叱った内容は間違ってないが、朝から面白くなかっただろうに。
なので？ ドラゴンボールのゲームをやらせてあげる。
移動して駅前のショッピングセンターに移動。
オマエサンの好きなプラペチーノを購入。
ついでに私も。
ようやく笑顔が戻ってきた。
私が大好きなその笑顔。
決して物で機嫌をとったわけではない。
どちらかというと私の自己嫌悪。
ここの詰めの甘さがまさしく私という人間。
おそらくそういう部分は仕事にも出ているだろう。
要するに甘いんだよね。
でもね。もう４４年間付き合ってきた自分。
今更、大きくは変わらない。
だけどこうして自分を確認しながら生きていく。
今回もそういう機会だ。
だからね。ありがとう。オマエサン。
そしてごめんね。
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