なあ、悠詩
アテネに着いた。
スイスと違って暖かい、いや、むしろ暑い。
すぐに汗ばんでしまったのでTシャツ一枚となった。
飛行機に乗る前は凍えそうだったのに、、、
空港からバスで中心部へ移動する。
他にも日本人が乗っていた。
これまでもそうだが、決して声はかけない。
今回は孤独を追及する旅なのだ。
自分と向き合い、内面を掘り起こすのだ。
ちなみに今まで行った都市ですべて中国の人を見かけた。
さすがに人口最多の国だ。
逆に日本人は思っていたよりも見かけない。
ジュネーブと違ってすぐにホテルを発見する。
ホテルのすぐ近くにアクロポリスの丘がある。
その頂上にはパルテノン神殿がある。
疲れないように観光地のすぐ側にホテルをとった。
これまでの都市でも同様だ。
おかげで今のところ体調は安定している。
夕方なのでアクロポリスの丘はもう閉まっていた。
その周りを歩く。
間もなく日が落ち、ライトアップされた。
途中にあった小さな丘によじ登って神殿と街並みを眺める。
これまた壮大だ。立体感がものすごい。
おだやかな気分になれる。
しばらくとどまり、携帯で小説の作業もおこなった。
明日は中に入ってみよう。
なあ、悠詩。
男の子ならきっとこういうものに憧れる時もあるだろう。
その時はちょこっとだけ教えてあげよう。
そして興味が湧いたのならいつか自分で行っておいで。
できれば一人でなく、友達や好きな人と一緒にね。
出発しておよそ一週間。
カアサンとオマエサンに逢いたい。
アテネの街並み。
ヨーロッパというよりアジアの雰囲気もある。
レストラン?
ホテル近くの通りで見かけた猫。
家にいるカアサンとオマエサンを思い出したよ。
ライトアップされたパルテノン神殿。
岩の丘から撮影。
カメラの性能が良くないので綺麗にとれない。
<追記:翌日(11月17日)>
混むかと思い、朝早く神殿に出かけると、誰もいない。
もう開場しているのかと思いきや、「まだだ」と言われる。
にもかかわらず入っていく人たちがいた。
それはスタッフだった。
この時、開場五分前であった。即ち、7時55分。
ずいぶんのんびりしているんだね。
門の前にポツリと立っていると、日本人の団体がやって来た。
十五人くらいかな?
開場して中へ。狙ったわけではないが一番乗りとなった。
石の階段を登っていく。
団体客はまだ門の前から動く気配がない。
途中、先に入ったスタッフが息を切らしながら登っていた。
まだ持ち場にたどりつけていないようだ。
仕方ないので追い越した(苦笑)
間もなく丘の一番上にある神殿に到着した。
当然、誰もいない。
そんな状態が二十分は続いた。
いいのか?
こんなに独占しても。
結局、出るまでに団体客と数人の外国人の姿しか見なかった。
オフシーズンかつ、早い時間だといつもこうなのだろうか?
アクロポリスの丘の頂上にあるパルテノン神殿。
この丘の頂上は広いのだが、このように二十分ぐらい貸切だった。
ディオソニス劇場。
こちらも貸切状態。
音楽場。
これは中には入れないようだ。
【小説「源平咲き」105,161文字(原稿用紙263枚目)推敲中】
from オトウサン
-悠詩(1歳2ヶ月) with 父(33歳) and 母-