なあ、悠詩
バスに乗ってたくさん買い物にも出かけたね。
いつもお買い物するところとずいぶん雰囲気が違うでしょ。
いろんなものに興味を持ってたくさん指差していたね。
お店の人も街の人も皆、気さくでたくさん話しかけてくれたね。
レストランでの食事も楽しかったね。
オマエサンもいつもよりたくさん食べたね。
おなかいっぱいで食べ物で遊びだすなんて初めてだったよ。
美味しかっただろうが、カアサンの料理が一番美味しいだろう?
オマエサン、短い旅だったけどお友達も出来たね。
Nちゃんという生後11ヶ月の女の子。
往復の飛行機ともに隣で、ホテルの部屋もすぐそば。
しょっちゅう顔を合わしては笑顔を交わしたね。
彼女はドイツのオトウサンと日本のオカアサンとのハーフ。
とってもキュートで元気の良い女の子。
カアサンもNちゃんのオカアサンとたくさんお話したよ。
逞しそうなオカアサンと優しそうなオトウサンだったよ。
オマエサンが大きくなったら写真を見せて話をしてあげよう。
エレベーターホールで気勢をあげるオマエサン。目が真剣。
外に出たい時は、靴を持ってきて履かしてくれとせがむのだ。
ツアーに付属する半潜水艦での海底めぐりでのオマエサン。
海の中のダイバーさんが持っているものは何だろう?
レストランで大人の料理を取り分けてもらい食べるオマエサン。
カメラのフラッシュがまぶしいにも関わらずここでも指を差す。
【小説「源平咲き」127,723文字(原稿用紙320枚目)推敲中】
from オトウサン
—悠詩(1歳4ヶ月) with 父(33歳) and 母—