「きつかった中国十日間」〜置手紙〜

なあ、オマエサン。

一昨日の夕方、帰宅した。

三年半ぶりの中国だったが、今までで一番、心身ともにしんどかった。
初日のホテルのチェックインからトラブル続きで、前半は特にきつかった。
早々に帰国する予定でもあったが、結果、現地で延長することにもなった。

一方、中国ではスマホがあれば、どうにかなると言う点では助けられた。
スマホのペイメントやアプリで、全ての移動や買い物を完結できるのはこの国の特徴だ。
もともとそういう国だが、三年半前よりも便利になっている。

今回は高鉄(新幹線)で片道八時間の上海から厦門への往復移動もした。
鉄道ネットワークの進化も目覚ましい。
飛行機よりもずっと安く、国内移動の第一手段にしてもいいかもしれない。

今回、特に思ったのが、実名認証の徹底だ。
高鉄でも飛行機同様、身分証明書の認証が必要だ。
日本でいうマイナンバーカードだが、外国人なのでパスポートで認証する。
改札に入る時だけでなく、出る際にも認証をする。
誰が、どこから入ってどこに出るかを管理をしている。

中国は政治経済は置いておいて、便利で暮らしやすい海外だと思う。
二十年前以上に初めて足を踏み入れてから、何度も何度も訪れている国だ。
慣れてはいるが、やはり常にどこか緊張感がある。
疲れていても翌朝は早く目が覚めて、二度寝もできない。
多少回復しても、また疲れて、疲労は日々、積み重なっていく。

それでも昔、住んでいた厦門では、アウェイにおけるホーム感を感じた。
あ、やはり私は上海よりも厦門が心身に馴染むなと。
湿度は高く、汗だくになるが、いい意味で気持ちが緩む。

最終日の前日、厦門から上海に戻り、浦東空港近くのホテルに泊まった。
窓もなければテレビも引っこ抜かれ、タオルもない。
ボロボロの壁にベッドとシャワー、トイレがあるだけ。
でもエアコンがきちんと動けばそれでいい。
寝るだけだし、翌日には帰国できるのでなんとも思わない。
2500円と値段相応だが、翌朝、バスで空港へ送ってくれるのが良い。

南方航空には日本人は誰もおらず、成田空港に着くまで中国にいる気分だった。
成田エクスプレスに乗ると、少し帰ってきた感覚がする。
新宿で降りると、ああ、日本に帰ってきたなとホッとした。
いつもならうんざりする新宿の人の多さも、この時はあまり気にならない。

自宅の部屋に戻ると、学校から帰っていたオマエサンがソファで昼寝をしていた。
テレビもつけっぱなしだ。私にも気づかない。
テレビを消し、起きないように、そっと荷物を片付けることにした。
その寝顔を見ると、ああ、自分の居場所に戻ってきたと、十日ぶりに穏やかな気持ちになった。

そうだね、私は三年半前とは変わったんだよ。
改めてそれを感じた中国での滞在と帰宅であった。

家族と共に私はある。常に。

人生は後半戦。
されど青春は回り道。

ありがとう。

成田へ飛ぶ飛ぶ南方航空
厦門から上海への新幹線
厦門のサンセット

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