なあ、オマエサン。
週明けの月曜日が鳥取は境港の企業訪問。
よって、近くの我が島根の田舎へと前乗りした。
羽田から米子へのフライト後、車で移動。
県を跨ぐといっても橋を一本渡るだけ。
実に二年半ぶりに両親と会う。
海の風が気持ちよい。
波の音も心地よい。
自分が使っていた部屋に足を踏み入れる。
もわっとした空気が当時を思い出す。
嗚呼、そうだね。
私はここにいたね。
何を胸に抱き、ここを旅立ったのだろうか。東京へ。
そして私は何かを掴んでここにまた足を踏み入れたのだろうか。
いや、掴むものなど最初から何もなかったのだ。
様々な人や物事の洪水の中で、喜怒哀楽にまみれ、時にズタボロになった。
正直、しんどい思い出はたくさんしてきたし、している。
だけど、大切なものに出会ったし、こう生きればいいかもと思えるようになった。
そう、出会っただけ、気づいただけだった。
ただそれだけだった。
でも、本当に出会ってよかったし、気づいてよかった。
得るのではなく、出会って、気づく、それで十分だ。
この部屋を旅立ってから、約三十年、やっと腑に落ちた。
さあ、折り返しに入った道程を歩みましょう。
目の前に躍起にならず、道草しながら。
青春は回り道。
ありがとう。