なあ、オマエサン。
10日間ぐらい、自分の中をえぐるように掘り下げた。
そうせざるを得なかった。
そう、私は裸足で地面を踏む感触を完全に見失っていた。
自分の内側をできる限りオフモードにした。
ああ、そうだ。まともに両耳で音楽を聴いていなかったよ。
使っていなかったダイソーの300円のヘッドホンがあった。
箱から取り出して使ってみる。
普段、片耳ヘッドセットやパソコン作業のながら聴きしていた音楽とは、全く別物であることに気がついた。
同じ曲なのに全く別だ。
でも、本当はそれが当たり前で、総てだった。
すっかり見失っていた。
すると、そこから自分があらゆる麻痺や思考のクセまみれの中で、溺れていたことに気づいた。
あがいてはいたが、あがくほど、実際は溺れていた。
溺れきる前で良かった。本当に。
ダイソーのヘッドホンに窮地を救われた。
青春は回り道。
ありがとう。