なあ、悠詩
ここは暖かい。
これまでの欧米が一気に過去のことになってしまう感覚だ。
お昼、ここにいる友人と、とてもお世話になった人に会った。
友人とは並行した分も含めると四社にわたる付き合いだった。
その一社目の会社で私を採用してくれた人だ。
もう七年も経つ。
自然と互いの立場など忘れさせてくれる人柄だ。
お世話になった人と出会ったのは日本だった。五年前かな。
その時は思ってもみなかった。
後にここでタッグを組むことになることを。
そして、私はこの人がいなければここで何もできなかった。
当時、私は二つのことに携わっていた。
ひとつは日本、ひとつはここでのこと。
二つは関連はあったが、実質、完全に別々に動いていた。
単純に比較はできない。
ただ、こちらの方が私の未熟さの影響は大きかった。
それは、知識、経験、文化を踏まえれば明らかだ。
このふたりがいないと私はここに存在できなかった。
そして私がここで得たものはたくさんある。
だから、申し訳なさもあれば感謝もある。
複雑なだけに生々しく、安易に思い出にはできない。
ふたりとも大変だろうが元気そうでなによりだった。
時は確実に流れている。
ここでの日々が少しだけカラーからセピアになった気がする。
この日はホテルを移動する。
人の送り迎えは何度もしたことがあるが、泊まるのは初めて。
夕方まで部屋で物書きなどしてゆっくりする。
夜、買出しに出かける。
今日もまた屋台を食べ歩いた。
こんなに食が進むのは本当に久しぶりかも。
油断してお腹を壊さないようにしないといけない。
昨日に引き続き買った甘栗に虫が入っていたことだし、、、
様々な果物を飴で固めた串。
昨日食べたイチゴの串の方が良かった(また食べた)。
いろんな思いが頭を駆けめぐる。
【小説「源平咲き」113,634文字(原稿用紙285枚目)推敲中】
from オトウサン
-悠詩(1歳2ヶ月) with 父(33歳) and 母-