なあ、悠詩
まず一つ、隣の国で幕が下りた。
触れたとき、それは様々な理由で不安定だった。
何の前触れもなく突然、雇う側の立場になった。
当然、そんな経験はなかった。
何も学んではいなかった。
何も引き継いではいなかった。
ゼロからだった。
しかもそれが言葉が違う国だった。
更にこれまでやっていた事と平行して行うのだ。
状況や私自身、あらゆる面でマイナスだった。
投げ出す以前に拒否してもよいことだとも思う。
そんな状態から徐々に安定させることはできた。
その自負はある。
強がりながら、知ったかぶりをしながら大いに学んだ。
後日、言葉が同じ国で同様なことを行うことになった。
それに大いに役立つ経験にもなった。
もちろん、国による差は大いにある。
それに関しては冷静になれた。
順番が逆だったらまた違っただろう。
そう、今はもう感謝しかない。
振り返ってみるとその二文字だけだ。
現地のスタッフに恵まれた。
心強い友もいた。
三年が経った。
もはや安定だけでは駄目なのだ。
発展させる必要がある。
もっと早くてもよかったという反省がある。
私の幕はこれで下りる。
また新しく始まるために。
それぞれがそれぞれの為に。
なあ、オマエサン。
人間は理屈ではない。
それを学んだ。
人のせいにすることは簡単だ。
正論は誰にでも言える。
そんなことは出来るだけ言いたくしない聞きたくもない。
大事なのは正しさよりも思いやることだ。
立場と責任、個人的なスタンスの範囲内でいいから。
正しさだけでは伝わらないし届かないことを学んだ。
正しさは解答用紙やコンピューターに任せておけばいいさ。
そう、私たちは人間なのだ。
なんの為に人間なのかということである。
大いに学んだ。
大いに感謝だ。
ありがとう。
from オトウサン
—悠詩(0歳6ヶ月) with 父(32歳) and 母—