なあ、悠詩
カアサンのノートパソコンの画面が壊れたよ。
最近、不調だったけどもう限界のようだ。
画面が激しく上下に波打ち、まともに映ることはない。
一瞬、気まぐれで正常になる時がある。
その隙にバックアップはとれた、、、
買ったのはちょうど五年前の12月だった(1月かも)。
そう、あの時は入院していた。
外出許可をもらって家に戻ったついでに買ったものだ。
入院といっても、単にインフルエンザで倒れただけであった。
大袈裟で恥ずかしいし、すぐに退院するつもりだった。
だが、それだけで終わらなかった。
もともと潜在的に抱えていた病気に引火したのだ。
これが今、患っている病気の最初の発火であった。
結局、一ヶ月ほど入院することになる。
病院で年を越したこともあり、良く覚えている。
大晦日の深夜、掛け布団でテレビを覆ってこっそりと見たよ。
そう、あれは猪木祭りのボブサップ対高山善廣の試合だったな。
今考えれば凄いカードだな(笑)
この時はあまり病気のことを深刻に考えていなかった。
知識も表面的なものであったし、認識も甘かった。
その後、今の状態にまで繋がっていくとは考えもしなかった。
だが、考えたとして何か変わっただろうか。
もしかしたらあらゆる面で消極的になっていたかもしれない。
この数年間の貴重な経験はできなかったかもしれない。
性格的にディフェンシブで保守的な私にしては積極的だった。
あれで?と思われるかもしれないが、十分そうだといえる。
そして今の空白もまた貴重なものだ。
何よりも大事にしなければならないものが、あらためて確認できた。
これまでの経験も、実際の身の丈に合うよう、調整もできるだろう。
そう考えるとやっぱりこれでよかったのだ。
反省は多々あるが後悔はない。
くたびれた感のあるノートパソコンを眺め、ふとそんなことを思った。
話はノートパソコンに戻る。
退院して間もなく、このノートパソコンは中国(アモイ)で活躍する。
最初に三ヶ月滞在した時に公私兼用で使ったものだ。
懐かしいな。
そして、ここ二~三年はカアサンの使うパソコンとなった。
ネットで出産や育児の情報をいっぱいカアサンに与えてくれたよ。
オマエサン、時々、キーを引っぺがして怒られたの覚えてる?
もう十分だよね。
ゆっくり休んでもらおう。
ありがとうって。
【小説「源平咲き」120,911文字(原稿用紙303枚目)推敲中】
from オトウサン
-悠詩(1歳3ヶ月) with 父(33歳) and 母-