なあ、悠詩
昨日は電車に乗って椅子を買いに出かけたんだよ。
いつもよりは少しは暖かかったかな。
なあ、オマエサン。
外でたくさん歩きたがるようになったね。
家の中にいれば玄関で自分の小さなアンパンマンの靴を指差す。
「外にいかないの?」と。
外で抱いていればウーウーうなりながら体をくねくねさせる。
「降ろしてくれないの?」と。
私がこうしてゆっくりできるうちは、
いろんなところに連れていってあげよう。
近いところ、遠いところ、いろんなところへ。
もちろん、今の私の身に跳ね返ってこない程度、範囲だけどね。
だから、たくさんたくさん歩きなさい。
疲れ果てたら両手を上げてウーウーうなりなさい。
抱き上げてあげよう。
でもね、少し休んだらまた自分の足で歩こう。
小さいうちは後ろからしっかり見守ってあげよう。
時には前から手を引いて導いてあげよう。
だから、まずはこの大地をしっかり歩きなさい。
いろんなところをたくさんたくさん。
そしていずれは、社会も自分の足で力強く歩けるようになりなさい。
私はたくましく育てられたという自負がある。
おかげでいろんな経験ができた(たぶんに自分勝手ではあるが)。
そして何よりもカアサンとオマエサンと出会うことができた。
しかし、現在、私は親にとって不義理な息子である。
ある意味、期待を裏切り続けているかもしれない。
だからね、オマエサン。
オマエサンをたくましく育て、社会に送り出すことで応えたい。
だからね、オマエサン。
いろんなところをたくさんたくさん歩きなさい。
今日のお出かけスタイル。
帽子が素敵だね。
食器棚コーナーで歩き回るオマエサン。
広くて空いているから歩き放題だったね。
学習机コーナーでのオマエサン。
振り向きざまに得意の指差しポーズ。
ぬいぐるみコーナーでのオマエサン。
通りすがる足を止めて指差すオマエサン。
スーパーで車の買いものカゴに乗るオマエサン。
ここでも指差しポーズ、楽しいね。
【小説「源平咲き」132,393文字(原稿用紙331枚目)推敲中】
from オトウサン
—悠詩(1歳4ヶ月) with 父(33歳) and 母—